複数のフィルターにフォワードフロー試験を行う際、ポールが許容値に対して安全係数をかける目的は?
安全係数は、ギリギリで不合格のフィルターが存在する場合に、検出されないリスクを低減することを目的にかけられています。
ポールは複数のろ過滅菌グレードフィルターに対してフォワードフロー試験を行う場合、本数に応じて、最大許容値を単純に倍数比例するのではなく、フィルターの種類ごとに、安全率を考慮して比例倍した値を下回る固有のフォワードフロー許容値を定めています。この様な最大許容値の低い設定は、単純な倍数比例と比較した場合、より厳しいテスト許容値となります。
安全係数の使用は、規制要件ではありませんが、ポールは安全係数の適用によって、複数の大型ろ過システムに対して高い安全性を提供できると考えています。
しかし許容値を低く設定することは、ときに厳しい管理となり試験に失敗する可能性がある(「見かけ上の不合格」)ため、リスクとのバランスを取る必要があります。安全係数の適用については、液体のろ過滅菌に関するPDAテクニカルレポートNo.26の2008年改訂版にも記載されています*。
ポールでは以下の要因を考慮しているため、ポールが提供する複数本のフィルターのフォワードフロー試験因子は、適切な安全係数をかけた値となっています。
- 膜の種類とフィルターの本数
- 各種フィルターにおけるフォワードフロー(FF)値の統計的分布
- FF値分布の平均偏差
- FF値分布の標準偏差
- 微生物チャレンジ中の最初の不合格のポイントとなるFF値(観察された場合)
ポールから提供される複数本のフィルターのフォワードフロー試験因子は、適切な安全係数をかけた値として提供されます。
*PDA Journal of Pharmaceutical Science and Technology, Technical Report No. 26 Sterilizing Filtration of Liquids, Rev. 2008. Supplement Volume 62, No. S-5
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