輸液療法を受ける患者の保護

細菌、真菌、微小異物、気泡の除去

治療の一つの手段として用いられる輸液療法は劇的に複雑化してきており、特に集中治療室(ICU)ではその傾向が高くなっています。複雑で集中的な治療を受ける患者数も増加していて、臓器の微小循環が減少していることに付随して頻繁に起こりうる生体機能の低下という重大な問題に直面しています。

静脈から輸液療法を受ける間に、輸液剤を介して2μm以上の大きさの粒子が10万個近くまで患者の血液循環系に入る恐れがあります。

輸液フィルターの役割

粒子の保持

孔径0.2 μmの輸液フィルタは異物や細菌などが患者の体内の血液循環系へ侵入することを防ぐという、重要な役割を果たします。

気泡の除去

輸液フィルタには疎水性膜のベント構造があり、輸液から気泡を除去することで患者の末梢血管系で空気塞栓を起こすリスクを極限的に減らすことができます。

粒子径が大きい脂肪乳剤の粒子を除去

孔径 1.2 μmの脂肪乳剤用フィルタは脂肪塞栓や異物汚染から患者を保護し、かつ粒子径の大きい脂肪乳剤が血液循環系に侵入することがないようにします。

細菌ならびにエンドトキシンの保持

正電荷の0.2 μm 孔径メンブレンをもつ輸液フィルターは細菌やエンドトキシンを保持することができます。